子育て経理マンによる、お役立ち情報 発信☆彡

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《M&A》M&A用語(基本編)

【FCF】 

CFはキャッシュ・フローの略である。FCFはフリー・キャッシュ・フローの略である。

FCFとは、営業活動より生じたCFから、維持更新に係る設備投資のCFを加味した、企業が自由に使うことのできる手元資金である。

一般的にFCFは以下の通り計算される。

FCF=(税引後営業利益+減価償却費-運転資本増加額)-設備投資額
FCF=営業CF+投資CF⇒簡便的な理解

 

【正常収益力(正常収益力分析)】

正常収益力とは、買収対象企業(又は対象事業)の恒常的かつ持続可能な収益力分析を意味します。営業損益に含まれる一過性の損益や、営業外損益に含まれるが恒常的に発生すると見込まれる損益を調整します。

 

【プロフォーマ調整】

プロフォーマ調整とは、現在の事業構造を仮に過去に遡及した場合の収益力の調整です。正常収益力分析は将来計画の発射台となりますが、事業構造の変化に伴い収益力が変化するため、現在の事業構造を過去に遡及して調整する必要があります。

 

【DCF法(ディー・シー・エフ法)】

将来にわたるFCFの現在価値の合計値を算定する方法。

各年毎に予測されるFCFを株主及び債権者の資本コストの加重平均値である加重平均資本コスト(WACC)で割り引く方法である。

 

【SPA(エス・ピー・エー)】

SPAは、Stock Purchase Agreementの略で、「株式譲渡契約書」です。

株式売買の最終契約書に位置します。

 

TSA(ティーエス・エー)

TSAとは、Transition Service Agreementの略で、「移行期間に係る業務提供合意書」です。譲渡対象外となる間接業務・関節機能(IT、総務、経理機能)等を、売り手企業から一時的に補完(サービス提供受ける)契約です。主に事業譲渡や大企業等の連結グループからの切り離しの際に、TSA関連の問題が生じやすいです。

 

SLAエス・エル・エー)】

SLAとは、Service Level Agreementの略で、「提供業務に関する合意書」です。TSAより長期に亘って売手の機能に依存したい場合に締結する合意書となっています。

 

 

【ソフトサウンディング】

案件に関する口頭での簡単な打診、もしくは、初期的なヒアリングを行うこと。

 

【サイニング】

M&Aにおけるサイニングとは、事業や株式の譲渡に関するサインのことです。

事業譲渡の場合、譲渡に係る手続きが煩雑なため、事業譲渡契約上、クロージング時期が明確に記載されていない場合もあります。

 

 

クロージング

M&Aにおけるクロージングとは、「対価の支払い、ならびに、資産の譲受」をいいます。売り手は、資金を入手し、安心したいとの思いから、サイニング後、早くクロージングしたく、場合によっては買い手にプレッシャーをかける企業もあります。一方、買い手は、売り手のプレッシャーに負けず、クロージングを実施すべきです。具体的には、譲受後(Day 1以降)に確実に事業が運営・継続できると判断できた場合のみクロージングを行うことが適切です。

 

マージャーコントロール

クロスボーダー案件の場合、国により規制が異なります。このため、買い手は関連する諸外国の競争法・独占禁止法等の規則への抵触に留意し、また譲受後の運用(間接業務や関節機能等の準備や得意先、取引先との調整)を実施しながら、クロージングの内容やクロージング日を、売り手と合意する必要がある。これら一連のM&Aプロセスのコントロールをマージャーコントロールという。

 

スクイーズアウト】

スクイーズアウトとは、株式会社において少数株主を排除する方法の総称です。上場会社の株式を100%取得するために必要な手続きであり、TOB後に行われることが一般的です。代表的なスクイーズアウトの方法は2つあります。1つは、特別支配株主(90%以上の議決権を保有)による少数株主に対する株式等売渡請求による方法です。株主総会の開催が不要のためスピーディーに実行可能です。2つめは、株主総会の特別決議(議決権の3分の2が必要)により、株式併合を行い、少数株主の保有する株式を端株化(1株未満)し、株式会社が端数株式の強制取得を行う方法です。こちらは、株主総会の特別決議が必要となり、招集手続を経る等により3か月ほど時間を要します。