オーナー会社の場合、
オーナーに多くの決定権が集約されていることが多く見受けられます。
これによりオーナー会社の場合以下のリスクが高くなります。
1.オーナーによる会社資金の私的な利用
(⇒高級車の購入、別荘の購入、子供の学費の支払い等)
2.オーナーの会社や創業家等のオーナー以外との取引
(⇒オーナー会社からのコンサルティング費用の請求、子供の学費の支払い等)
また、留意したいのが以下の2点です。
1.主要株主との取引は関連当事者取引に該当しますが、特にオーナー家との取引は関連当事者取引に該当しないこと。
⇒結果、決算書に取引が記載されないことに留意
2.経営権に加え資金管理権限も有する場合には、経営者不正のリスクが高くなります。
⇒経営者不正はオーナー会社以外の会社でもあり得ますが、オーナーが経営権に加え、資金管理権限も有する場合には、会社の資金と社長個人の資金が混同しているリスクが高くなり、結果、粉飾等の事例も比較的多く感じている
また、社長の資金と会社資金が混同する理由は、会社資金も自己資金も自らの管理下に置いていることや、会社の資金もオーナー自身が経営者責任を問われるため結局一体に感じることが主たる原因です。
極論は以下の仕訳を起票しても発見できないリスクがあります。
例1)社長への貸付金を利用した売上高の水増し
「(借方)貸付金:1億円/(貸方)売上高:1億円」⇒架空計上
例2)経費等の支払いを利用し、見せかけの現金の水増し
「(借方)現金:1億円/(貸方)預金:1億円」⇒資産の過大計上、費用の計上漏れ
ただし、あくまで極論であり、きちんと管理できているオーナー様も当然に多くおられる点を一言添えたいと思います。